暮らしの歳時記 2月(如月)

左義長 [サギチョウ ]

 小正月に行われる火祭り行事。1月14日から15日にかけて行われることが多いようです。古くから朝廷で行われていたようですが起源は明らかではありません。清涼殿の庭で青竹を焼き、天皇の手になる吉書を天に上らせ、たり青竹に扇を結びつけて燃やしたといいます。近代では新年の松飾りや注連飾りなどを集めて村や町の行事にするところもあります。書き初めを燃やし、高く燃え上がると上達するという吉書揚げです。とんどと呼ぶのは“とんどどんど”という囃し言葉だっとの説もあります。奈良では14日に吉祥草寺で行われる左義長が“茅原のとんど”と呼ばれて有名です。これは役行者が大峰山への道をさえぎる茅を焼き払ったという故事によるもの。雌雄一対の大松明に火をかけてその年の豊凶を占うもので国の無形民俗文化財にも指定されています。

どんど焼きどんどと雪の降りにけり[一茶]

 雪の中で行われるどんど焼き。村人が集まり“とんど、どんど”と囃し立てているのでしょう。子供たちの歓声も聞こえるようです。餅や団子も焼いているのかも知れませんね。燃える火と降る雪、いかにも日本的な情緒の句です。

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photo by Kinji Fujii