暮らしの歳時記 2月(如月)
春の雷 [ ハルノカミナリ ]
 雷は春に珍しいものです。鳴ってもすぐに鳴り止みますから、聞き逃すことも多いのではないでしょうか。そんなところが却って趣があると、俳人たちは句に詠んできたのでしょう。
* 下町は雨になりけり春の雷(正岡子規)
雷鳴を聞きながら、きっと下町には雨が降っているのだろうというそれだけの句ですが、春の雷ですから、きっと音も穏やかで雨も糸のような細いものでしょう。芽吹き始めた柳やもしっとり濡れているのだろうか、など想像が膨らむ句です。
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photo by Kinji Fujii