山笑ふ [ ヤマワラフ ]
春、山の木々が芽吹き、花が咲き始めると静かだった山も一気に生気に満ちてきます。むくむくと若葉が開くようすを「山笑ふ」と表現したのですね。山を人に見立てて。ちょっとユーモアもある愉快な言葉だと思います。出典は「春山は淡冶(たんや)にして笑ふが如し。夏山は蒼翠(そうすい)にして滴るが如し。秋山は明浄(めいじょう)にして粧(よそおふ)が如し。冬山は惨淡(さんたん)として眠るが如し」と「臥遊録」にあるところから季語として用いられるようになったといいます。
*故郷やとちらを見ても山笑ふ[子規]
正岡子規の故郷は四国松山。穏やかな山々に恵まれた松山の春が目に浮かびます。 |
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