花と行事 バックナンバー
暮らしの歳時記 注連飾り
1月/睦月

お正月
  新年は特別な季節です。歳時記の中でも新年は四季から独立して編集されていて、自然の中の季節というよりは一年の大きな節目、行事の季節といった感じがします。大掃除、お節料理の買出し、鏡餅を床の間に飾り、注連縄を玄関に掛け、お屠蘇の準備を整えて、と慌しく過ごした年の暮れから一夜明けるとお正月。たった1日の違いなのに何もかも清々しく感じるのは、古代から一年の始まりには特別の思いをこめて迎えてきた記憶がDNAに組み込まれているからなのでしょうか。
  近頃は、コンビにはもとより新年早々開店しているスーパーはあるし、初詣に晴れ着を着る人も少なくなって、お正月もずいぶん"普段着"になったようです。それでも家族が揃って「おめでとうございます」と挨拶する時はやはり気持ちも改まります。慌しく流れていく時代こそ、季節の折節は大事に過ごしたいものです。ホテルや旅館で至れり尽くせりのお正月は、どんなにか気楽なことでしょうが、忙しく準備を整えて迎えてこそ味わえるお正月の雰囲気もあるように思われます。至れり尽せりの時でも、せめて注連縄を掛け、部屋の中をお正月らしく整えて出かけると随分印象が違うのではないかしら。
  たとえば干支茶碗。茶道用の茶碗ではなく、ご飯茶碗。新年には必ず干支茶碗を用意しておき、一年間はそれを使う人がいます。毎年揃えるのに12年かかりますけれど。
  奈良の陶芸家豊住和廣さんの工房を訪ねて新作の干支茶碗を見せていただきました。豊住さんが干支茶碗を作るようになったのは、お世話になった方々へのお歳暮として配ったのがきっかけだそうです。年々評判を呼んで、配るだけでは対応できなくなり、一般にも分けるようにしたとか。
干支茶碗  伝統工芸展での受賞など、陶芸家として名を成した豊住さんの茶碗は、手の納まりが良く、しかも美しいものです。今年は酉年、力強い雄鶏の立ち姿に「佳き年であれかし」との願いが込められている気がします。茶碗の内側の見込みには鳥の形にデフォルメされた"豊"の文字が藍色で描かれています。ちょっと他では見かけることのできない縁起のいい茶碗です。
  「毎年集めて棚に飾っている人もいるし、毎年お正月に使い始める人もいて、それぞれに楽しんでいるようです。12個揃うまでと言っていた人が一回りしても12年前のデザインとは違うからと買ってくださったり、割れた分の補充をしたり。思いがけないほどの反響がありました」と豊住さんは話されます。
  "豊かが住む"という名前の良さも影響して、今年も干支茶碗への活躍が期待されるようです。自分の干支にこだわらず、その年の干支茶碗を使って一年の歴史を刻むというのも素敵ですね。ファーストフードからスローフードへと見直される食生活ですが、茶碗から食事を見直すことだってあるかも知れません。湯のみ茶碗とのセットで一年の幸を"酉"込んでみてはいかがでしょう。

初春
若水
春着
左義長
左義長
メールにもちょっと時候のあいさつ
お正月も瞬く間に過ぎ、いよいよ2005年も本格的にスタートしました。でも体はまだお正月気分を引きずったまま。
12月31日と1月1日、たった一日の違いなのに家の中も町も何か雰囲気がちがって見えるのはなぜでしょう。やはり改まった気分になってしまいます。
1月6日は小寒、20日は大寒、これから寒さも本格的ですね。こんな時こそ外へ出て体を動かすべきでしょうが、暖かい部屋から出る勇気がありません!
寒い日が続きますが、陽射しはちょっとはるめいてきましたね。何か明るい感じがします。
早朝、しっかり着込んで散歩しています。朝日が気持ち良く、元気が出そう。今度一緒に歩きませんか。
初詣の長い行列に並んですっかり疲れました。でも、毎年の行事ってなかなか止められません。こうして、今年もお参りできたのが幸せってことでしょうか。

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