お渡り式-春日若宮おん祭の見どころ-

12月17日 12:00〜14:00

華やかな装束に身を包み1,000名が古都奈良を練り歩く

御旅所にいらっしゃる若宮様のもとへ、芸能集団や祭礼に加わる人々が社参する1000人規模の行列。平安時代からの時代装束を着た行列には、馬が50頭ほどが加わっており、全国でも有数の規模を誇る時代行列として有名です。「影向の松(ようごうのまつ)」の前で「松の下式(まつのしたしき)」を行ってお旅所へ練り込みます。

第一番 日使(ひのつかい)

第一番 日使(ひのつかい):おん祭お渡り式

日使(ひのつかい)とは関白藤原忠通がおん祭に向かう途中で病気になり、お供の楽人にその日の使いをさせたことが始まりと言われています。

第二番 巫女(みこ)

第二番 神子(みこ):おん祭お渡り式

春日大社では巫女を伝統的に『ミカンコ』と呼びます。錦の袋は「御蓋(おんかさ)」で、春日明神が影向された時に用いたものと伝えられています。

第三番 細男・相撲(せいのお・すもう)

第三番 細男・相撲(せいのお・すもう):おん祭お渡り式

神功皇后の伝説にちなんだ独得の細男の舞を演じる集団です。浄衣(じょうえ)という白衣姿で馬に乗って進み、後には、赤や緑の袍を着た十番力士行司・支証が続きます。

第四番 猿楽(さるがく)

第四番 猿楽(さるがく):おん祭お渡り式

猿楽(さるがく)は能楽の古名です。松の下では「開ロ(かいこう)」「弓矢立合(たちあい)」「三笠風流」を演じ、お旅所入口では金春大夫が「埒(らち)明け」を行います。

第五番 田楽(でんがく)

第五番 田楽(でんがく):おん祭お渡り式

華やかな五色のご幣をおし立てて、綾藺笠(あやいがさ)をつけ、編木(ささら)・笛・太鼓を持ちます。おん祭で行われる芸能のうちで最も興福寺と深い関係をもってきた芸能集団です。

第六番 馬長児(ばちょうのちご)

第六番 馬長児(ばちょうのちご):おん祭お渡り式

山鳥の尾を立てたひで笠をかぶり、背中に牡丹の造花を背負った少年。馬長児には、従者が二人ずつ従い、五色の短冊をつけた笹竹を持ち、龍の造り物をかぶり、腰に木履を一足吊り下げています。

第七番 競馬(けいば)

第七番 競馬(けいば):おん祭お渡り式

赤と緑の錦地の裲襠装束(りょうとうしょうぞく)を着た騎者が、馬出橋からお旅所前の勝敗榊までを競います。競馬の勝敗により左舞の蘭陵王と右舞の納曽利の順番が決まります。

第八番 流鏑馬(やぶさめ)

第八番 流鏑馬(やぶさめ):おん祭お渡り式

旧儀通り揚児を先頭に三騎の稚児が、一の鳥居内の参道で祝投扇(いわいのなげおうぎ)の所作を行い、三つの的を順番に射ながら進んでいきます。

第九番 将馬(いさせうま)

第九番 将馬(いさせうま):おん祭お渡り式

かつて大和の大名家中より神前に献じられた馬を引いた名残りで。神前に馬を献じた古い習わしを示すもので馬上には人を乗せません。

第十番 野太刀(のだち)他

第十番 野太刀(のだち)他:おん祭お渡り式

5.5メートルほどもある大型の野太刀を先頭に中太刀・小太刀・薙刀(なぎなた)・数槍(かずやり)と続きます。

第十一番 大和士(やまとざむらい)

第十一番 大和士(やまとざむらい):おん祭お渡り式

射手児を先頭に流鏑馬を奉納した大和武士の伝統を受け継いだ大和士の一団です。

第十二番 大名行列(だいみょうぎょうれつ)

第十二番 大名行列(だいみょうぎょうれつ):おん祭お渡り式

大名行列は、江戸時代からお渡りに加わったもので、武家の祭礼の伝統を大和国内の郡山藩・高取藩などが受け継いで供奉しました。子供大名行列や郡山藩の行列もあり、お渡りの最後尾をしめくくります。